日銀による緩和縮小と株価の行方

今回は日銀による緩和縮小の方向についてです。

日銀による修正観測

2024年3月19日、日銀はマイナス金利政策の解除をはじめとする金融政策の枠組みの大幅な修正を決めました。2%物価目標の持続的・安定的な実現が見通せたと判断し、いわゆる異次元金融緩和政策を終了、利上げに踏切りました。

とは言え、利上げといっても異次元緩和の道中で政策金利にあたる部分は無担保コール翌日もの金利となったりマネタリーベースがうんぬんとここでは詳細は省きますが、複雑な緩和措置を一旦スッキリさせた決定と思って良いでしょう。

つまり、今後の金利上昇にむけての地ならしの段階です。今後金利を上げる事になるという事ですね。

株価と金利の関係

株価と金利の関係は逆相関です。

金利が高くなるという事は利回りが高くなるという事ですから、投資家はリターンをもとめてリスクのある株式を選ばずに債権に資金を移します。株価は下落します。

逆に金利が低いという事は多少リスクをとってでも利回りを求める必要があるので、株に資金が流れます。

 

こうして逆相関の関係ができるわけです。アベノミクス以降株価が上昇していたのは、金利を引き下げた事が大きな要因です。

さらに言えば、日銀が停止した量的緩和。これも影響しています。金利と株価の相関は、市中に出回る資金の配分を決めるものでしたが、量的緩和は市中に出回る資金量そのものを増やすというものでした。

 

市中のお金10万円のうち、2割が株に流れるという事は株式市場に2万円流れます。

金利が低下して、株式相場の魅力がまし5割が流れるなら、株式相場に5万円流れます。

量的緩和をして市中のお金を30万円にしたら、2割しか流れなくても株式市場に6万円流れますし、

5割になれば、15万円です。

これが、アベノミクスでの株高の要因です。

 

株式市場の今後

では株式市場は今後下落するのでしょうか?

基本的には日銀の緩和縮小もしくは量的引き締め・金利引き上げは株価にとってマイナスです。実質的な株価は下落となるでしょう。

一方で、名目上はどうなるかは、インフレ次第となります。物の価値が20%上昇して、株価が20%上昇すれば十分にヘッジできている事になります。

見た目の株価の推移はどうなるか?は難しいところですが、基本的には短期的に下落に向かうでしょう。

 

こういった記事を書いていましたら、本日は日経平均大幅安でした。

これは日銀の政策というよりは、アメリカ市場での金利みとおしが大きく影響していますので、次回まとめたいと思います。