株価とマネーサプライ
前回の記事で株価と金利の関係について触れました。もっと大きな目でみる場合に株価に影響を与えるのはお金の量です。
今回はその部分を解説します。引き続き、資料の多いアメリカ株で見てみましょう。
アメリカ株の推移
こちらは、S&P500の株価推移となります。2023年の株価横ばいから緩やかな上昇。そして、2023年末から大きく株価が上昇しています。
前回と同じチャートです。
お金の総量
お金が増えれば株価があがる。
これは直感的に理解できるかと思います。今回はそれを裏づける資料で、M2の量を見ていきましょう。
簡単に言えば、市中に出回るお金の量です。
ご覧の通り右肩上がりで増え続けています。
余談ですが、リーマンショックからの景気下支えで資金量の上昇が増え始め、コロナ対策の現金給付で一気に総量が跳ね上がりました。
モノの総量はそう大きく増えるものではないのに、お金だけがこれだけ増えたので、インフレが起こりました。
閑話休題。
こうしてみると、お金の総量が増えている事でアメリカ株が半世紀近く上昇し続けていた事がわかります。
最近の株価上昇は?
さて、これはもう少し期間を短くとって見やすくしたチャートです。
年内6回の利下げ見通しで反転した株価が、金利高止まりでも関係なく上昇している理由がわかります。
ご覧の通り、FRBはQTを開始して市中に出まわる資金を回収しようとしていますが、地方銀行の破綻の救済など、なんだかんだでその方針が昨年末から徹底できていない事がわかります。
上下の波はあっても、大局的にはM2は上昇しており、これが株価をお仕上げている要因です。
金利の関係とマネーの総量について、簡単ではありますが解説してきました。
ここまでご覧頂いて方は、一つお気づきかと思います。
M2は2022年に頭うち、金利も高止まり。なのに、なぜS&P500は史上最高値を更新しているのでしょうか?
次回はそのあたりを追っていきたいと思います。